円建て保険と外貨建て保険の基本的な違い

円建て保険は、日本円で保険料を支払い、保険金も日本円で受け取る仕組みの保険です。
一方で、外貨建て保険は米ドルやユーロなどの外貨で保険料や保険金のやり取りを行うため、為替の変動によって受け取る日本円の金額が変動する「為替リスク」を伴います。
また、保険会社が契約者に約束する運用利回り（予定利率）にも違いがあります。
一般的に金利が高い外貨で運用する外貨建て保険は、円建て保険に比べて予定利率が高く設定される傾向にあり、同じ保障内容でも保険料が割安になったり、解約返戻率が高くなったりするメリットがあります。そのため、一時期は外貨建て保険が多くの注目を集めていました。

円建て保険が再び注目される理由

最近では、円建て保険に再び関心が高まっています。その背景には主に2つの要因があります。

1. 円建て保険の魅力が向上した

日本の金利上昇により、保険会社の運用収益が改善。その結果、契約者に還元される「予定利率」が引き上げられ、以前よりも有利な条件で契約できるようになっています。

2. 外貨建て保険の販売見直し

外貨建て保険については、仕組みを十分に理解しないまま契約してしまうケースが問題視されており、早期解約が相次ぐなどの課題が生じています。
そのため、金融機関は販売方針を見直し、顧客一人ひとりの理解度や資産状況に応じた提案を重視する動きが強まっています。
特に「ターゲット型」と呼ばれる商品では、為替が好転したタイミングで自動的に円建て運用に切り替わる仕組みが導入されています。目標金額に到達した際には、円建ての保険や他の商品への乗り換えを提案するケースも見られます。